新人エンジニアがつまずくのは「コード」より「質問のしかた」だった

こんにちは、texiaです。
新人エンジニアを現場に迎えたとき、意外とつまずくのが「コードを書くこと」ではなく「質問のしかた」です。
- 何がわからないのかを整理しないまま聞いてしまう
- 逆に、聞くのをためらって一人で抱え込み、あとで大きな手戻りになる
- 仕様書に書いていないことを、自分の判断で勝手に決めてしまう
どれも、プログラミングの研修ではなかなか練習できない部分です。今回は、texia の研修ツール「DevDojo」で実際に起きたやりとりを使って、「悪い質問」と「良い質問」を比べてみます。
題材:ステータス表示を日本語にするチケット
DevDojo では、受講者は架空の会社「青葉ロジテック」の情報システム部に配属されます。最初のチケットは、社内の備品一覧画面で英語のまま表示されているステータス(available など)を日本語にする、という小さな改修です。

仕様書には、次の3つの対応表が書かれています。
| ステータス値 | 表示名 |
|---|---|
| available | 貸出可 |
| lent | 貸出中 |
| repair | 修理中 |
一見、これで十分に見えます。でも、この3つ以外の値がデータベースに入っていたら? 仕様書には何も書かれていません。DevDojo の仕様書には、こうした「わざと残してあるあいまいな点」があり、質問しないと正解にたどり着けないようになっています。
悪い質問:「どうすればいいですか?」
まず、新人がやりがちな聞き方をしてみました。
状態の表示ってどうすればいいですか?
AIの上司(高橋課長)の返事はこうです。
「どうすればいいか」だけだと答えづらいな。まず、仕様書の「3. 状態の表示名」の表はもう読んだ? 読んだうえで、今の画面がどうなっていて、自分ならどうしたいと思ったかを聞かせてほしい。
そして DevDojo では、送ったメッセージごとにメンターが★5段階で添削します。結果は★1でした。

💡 改善点:何について何を決めてほしいのかが不明で、仕様書やチケットで調べた内容も自分の仮説も書かれていないため、課長が答えにくい質問になっています。「どの点が不明か」と「自分はこう理解している」を示し、Yes/Noで答えられる形にしましょう。
添削には「例えばこう書くと…」という書き直しの例文も付きます。ダメ出しだけで終わらないのがポイントです。
良い質問:「どこが不明か」+「自分の案」
添削を踏まえて、聞き直してみます。
仕様書の「状態の表示名」について1点確認させてください。表には available / lent / repair の3つしか定義がありませんが、DBに想定外の値(例: 廃棄済みなど)が入っていた場合の表示が書かれていません。ステータス値をそのまま英語で表示する案と「不明」と表示する案があり、私は原因に気づきやすいよう、そのまま表示する案がよいと考えています。この方針で進めてよろしいでしょうか?

今度は★5。上司の返事も、すぐに結論が返ってきました。
仮説つきで聞いてくれて助かる。結論から言うと、想定外の値は英語のままではなく「不明」と表示してほしい。今回の問い合わせの発端が一般社員への英語表示なので、画面上に生の値は出したくないんだ。
あと例に挙げてくれた廃棄済みは、retired という値で「廃棄済み」と表示してほしい。仕様書の書き漏れだったので、こちらで直しておくね。

ここが大事なところです。
- 自分の案は採用されなかったけれど、理由つきで方針が決まったので、迷わず進められる
- 質問したことで、仕様書の書き漏れ(
retired=廃棄済み)が見つかった
もし質問せずに「英語のまま表示」で実装していたら、レビューで差し戻され、retired の対応も漏れていたはずです。小さなチケットでも、質問ひとつで手戻りが防げます。
良い質問の型
今回のやりとりから、質問の型をまとめるとこうなります。
- どこについての質問かを最初に言う(「仕様書の『状態の表示名』について1点確認させてください」)
- 調べたこと・わかっていることを書く(「表には3つしか定義がない」)
- 何が不明かをはっきりさせる(「想定外の値の表示が書かれていない」)
- 選択肢と自分の案を添える(「A案とB案があり、自分はAがよいと考えている」)
- Yes/No で答えられる形で締める(「この方針で進めてよろしいでしょうか?」)
上司の立場からすると、選択肢と案が書いてあれば「いいよ」か「いや、こっち」で答えられます。忙しい相手の時間を奪わない質問は、それだけで信頼につながります。
「質問のしかた」は練習できる
こうした質問の型は、本や研修資料で読んでも、実際に聞いてみないとなかなか身につきません。かといって、現場の先輩に何度も練習相手になってもらうのも大変です。
DevDojo では、AIの上司・先輩を相手に、何度でも質問・報告の練習ができます。メッセージごとの★評価と添削で、自分の聞き方のクセにも気づけます。
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